今回はＴＲＣ（東京流通センター）の思い出話。
　今は無き東京文芸出版が主催していた同人誌即売会は、四谷公会堂→大田区産業会館（今は位置を移してＰｉｏになってる）→ＴＲＣと場所を移っていった。
　浜松町からモノレールで行くという結構不便な場所だったのだが、内部は綺麗でお店もある。ただ、普通の企業が上階に入っているので、日曜日以外にやった時は好奇の目で見られていたし、きっと迷惑だったろう。
　ちなみに、３月末から４月は桜の花が満開となってそれを見るのが楽しみだった。

　ＰＡＲＴＮＥＲ４冊目発行。内容はＣ翼オンリー。コミケット年鑑によると大雨だったらしい。うーん、あれかな、台風来てた時かな。これ以降最後の晴海までまともな雨は降らないという、コミケ伝説ができあがる。ジャンルとしては、やっぱりＣ翼。どんどんサークルが増えて膨れあがる。ボール持ち込み禁止になったのもこの頃じやないかと。

　 東館のほぼ半分近くがＣ翼だったような気がする。ＰＡＲＴＮＥＲとしては本誌の他にＣ翼オンリー本を発行。ただし、きさらぎは翼受け、相方の高宮くんは小次郎受けとカップリングが別れたので、それぞれ別活動が増えてきた。
　冬の晴海はとっても寒く、良く終わった後風邪を引いて正月は寝て過ごすことが多かった。

　今回はオンリーイベントの思い出話。
　多分、初めてのオンリーイベント（個人主催）は蒲田で行われたキャプテン翼オンリー。とにかく狭い会場に溢れんばかりの人人人。コミケと違い、通路もスペース内も狭かったため、混み具合は倍増して感じられた。
　その頃Ｃ翼のメジャーＣＰ（カップリング）は源×岬等岬受け。翼受けだった自分は随分肩身の狭い思いをしたものだ。ちなみに健×小次も少なかったので、高宮くんも仲間を捜して合同誌とか作っていた。
　翼受けはともかくとして、健×小次作家では、後にプロになるメジャーな人がほそぼそと本を出していたのだ。

　ＰＡＲＴＮＥＲ５冊目発行。内容はＣ翼オンリー。
　噂では新館２Ｆに雲が出来たとか。それほどの猛暑だった。とくに噂の新館２Ｆ、空調の難なのか１Ｆの熱気が上に来るのか、中程へ行くと酸欠になりそうな暑さ。というわけで、晴海会場で新館２Ｆにいくジャンルは島流しとなる。おまけに人が混まないようマイナージャンルを配置するものだから、そこに配置されたジャンル者は嘆き悲しんでいた。それに２Ｆといって実は３Ｆだったりするんだよね。新館２Ｆの話はまだまだあるぞ

　何故晴海からＴＲＣに移ったのか不明。２日間借り切れなかったのかな。
　それまでミニコミフェア等で慣れていた筈のＴＲＣだったが、２日目は大雪というアクシデントで現場は大混乱。カートが使えないんだよね、雪だと。
　Ｃ翼ブームは安泰だが、新たに聖闘士星矢が台頭してくる。ちなみにきさらぎは星矢受け。当時は主人公受けは茨も茨で、通りすがりに侮蔑、雑言受けた事も何度もある。でも、マイナー故に伝説級の嫌がらせは受けたことはない。東邦ＣＰは凄かったらしいね（以下次号）

　さて、伝説級のカップリング闘争といえば（噂でしか聞いたこと無いから真実かどうか眉唾もの）逆ＣＰのサークルまで行き、本の上にコーラをぶちまけたとか、わざわざ買ってから目の前で破ったとか、熾烈な物があったらしい。自分には関係ない話だと思っていましたが、翼受けサークルも増えてきて派閥っぽい物も出来ていたようです。女の世界だなあ。でも若さゆえか、いろんな馬鹿騒ぎをした時期でもありました。今から考えると赤面物…思い出は美しいばかりではないのでした。
　もひとつ、地方イベントについて
　良くＦＣ関連で遊びに行ったのが神戸のコミックストリートと名古屋のコミックカーニバル。どちらも今はありませんが、当時はコミケに次ぐ規模のイベントだったのです。
　コミストの代表者は今はコミックシティに行ってて、コミカの代表の一人だった方は推理作家になってますねー。観光がてら行くのが大好きだったのですが、今はどちらのイベントもなく、神戸も名古屋もあまりいかなくなってしまいました。

　ＰＡＲＴＮＥＲ５冊目発行。内容は高宮くんがＣ翼、きさらぎは星矢。
　とにかく一般がもの凄く並んだらしい。確か自分は星矢で申し込んだ筈…。コミケカタログ初参加から全て取ってあると思っていたのに、２６−３６号まで見つからない。というわけで、このへん記憶が曖昧。
　この時かどうかは定かではないけれど、会場の入り口近辺に配置された時、入ってきた一般の圧力に負けて机が折れてしまったことがある。暫く椅子で支えてたんだけど、なにせ人が多すぎなので代わりの机がなかなか届かなかったつけ。

　流通センターのコミケといえば、「コミケまりも」ようは衣服が擦れて剥がれ落ちた繊維が纏まって、さらに丸くなった綿埃、ですな。階段の隅にほんとにまりものように転がってました。晴海では会場が開放的だったためあまり見られないものでした。
　この冬じゃなくて１月に（この年だったかは不明）何度目かのＣ翼オンリーがありました。友人が共催の一人だってこともあって参加。しかし、当日は関東の交通機関が全て麻痺するほどの大雪だったのです。１０時に始まったものの１２時には会場側から帰るよう要請があり、サークルは全員退去することに。けれど一般はそんな事情はわからずあわや暴動になりかけたとか（大げさな）。サークルは一般の目を避け非常口から外へ出たのでした。友人の泣き顔が記憶に残ってます。帰るのも大変だったからいっそ夕方までイベントやってた方が帰りやすかったのになあと思いつつも、会場側としては帰さざるをえなかったんでしょうね。
　えーと、確かこの時のスタッフが集まってバーニングというイベントが立ち、さらにはコミックレボリューションになったんじゃなかったっけ？

　コミックシティは最初東京文芸出版と赤ブーブー（曳航社の別組織）が共同で開いていた。どっちの印刷所も今はもう無いですが、東京文芸の方は同人誌を専門に刷ってくれる印刷所が片手くらいしか無かった時からあった印刷所です。ナールと創造と木内…だったかなあ、それくらい。ちなみに曳航社はナールから分裂してできた会社。現赤ブーの代表赤○さんは元ナールにいたんですよ。話が随分脱線してしまいました。
　で、赤ブーのコミックシティの前身はウイングマーケットというＣ翼オンリーイベントでした。その後星矢も取り入れ、徐々に女性向けをメインとして大きくなっていったのです。
　最初は共同で行っていたコミックシティだけど、途中決別し、同じ名前を使いながら別主催ということになってしまいました。

　ＰＡＲＴＮＥＲ６冊目発行。内容は銀英伝と星矢。
　内容をあまり覚えてないので、戻った晴海のレポート。今回から２日間となりました。西館は冬は窓からさんさんと陽が入るのであったかい会場ですが、時は夏。暑いって！　しかし、もっと暑かったのは新館２Ｆ、前にも書いたように上には熱気が行きやすく、窓も少なくて籠もりやすい。大変だったなあ。出入り口が狭くてしかも階段昇らないといけなくて、トイレは少なくて、最悪の場所でした。
　ああ、荷物運ぶのにエレベーターじゃなくて階段だったのがほんと辛かったなあ。

　なんで取れなかったんだっけ？　おせち料理のせい？　覚えてないなー。
　女性向けでこのころ流行は星矢から侍トルーパーへ移っていた。男性向けはよく覚えてないけれど、多分魔法少女ものかな。ミンキーモモから続く路線。
　再び別のイベント話。今でこそ男性向けばかりの「コミックレボリューション」ですが、最初はオールジャンルで女性向けも普通にありました。場所が池袋サンシャインというテナントビルの上という立地は、帰りの食事とかお茶とか楽でしたけど、自宅から行くのは大変でした。ほぼ正反対の土地に朝９時までに来て、遅刻は一般の後ろに並べという。
　部屋がいくつかに別れていて、迷子になりそうだったのも懐かしい思い出です。今でも女性向けで参加してる方いるのかな。

　平成元年となって初のコミケは昨年冬に出来なかったため久方ぶりの春開催。暑くも寒くも無い穏やかなコミケとなった。
　「侍トルーパー」は昨年春から放映だったのだね。この前のに書き忘れました。星矢の後女性向けとして大ブレイクしましたな。自分は３冊だけ出して、その後三匹目のどじょう（二匹目はトルーパー）と言われた「天空戦記シュラト」に思い切り転んでしまったので、バブルの恩恵には預かれなかったのでした。
　トルーパーといえば、声優イベント＆バンド。その追っかけがテレビで取り上げられたりして、凄い人気でしたね。

　ＰＡＲＴＮＥＲ７冊目発行。内容は銀英伝と創竜伝。
　確か報道陣が山のように居たのはこのコミケだったと思う。理由は某Ｍ事件のせい。女性向けはそんなに（自分の周りでは）問題にはなってなかったけど、男性向けは大変だったでしょうね。うっかりコミケに行ってるなぞ言えば白い目で見られたとか。

　幕張に当時では日本最大のイベント施設が出来、そこへコミケは移動。自分としては近くなってよかったけれど、千葉以外の人にとってはかなり行きにくい場所だった。周りは何もなく、海からの風で吹きっさらし、夏は日差しを遮るものもなくカンカン照りという土地。ただ、駐車場は広かった（自分用ナシだったけど）
　晴海と違って一直線に連なるホールは余計広く感じさせて、端から端まで行くとなると相当きつかった。段差は無かったけどね。途中アトリウムがあって大手に並ぶ人たちはそこへ並ぶのだが、屋根のない部分だったので大変だったろう。（ここはやすらぎのモールという名称があったのだが、地獄のモールと呼ばれたとかなんとか／笑）
　当時のカタログが見つかったので補足。１から８ホールまでのうち５ホールまでしか使ってなかったんだね。ホール１は一般待機列だから実質４ホールで開催。そうそう思い出した。確か恐竜展か何かと同時開催だったような。…あれ、夏だったかなー冬休みにはやらないか。
　 コミケカタログの背に初めて絵が描かれたのもこれ。最初は普通の女の子。
　男性向けは大人しめ。女性向けはやっぱりトルーパーが一番多かった。
　帰りは会場から駅までながーーい列が出来ていた（約５００ｍってとこかな）のを思い出す。まだホテル郡も何もなかったので食事やら何やらとても困った。メッセの中の食事はまずかったし。

　上記企業イベントやアマチュアイベントが沢山出てきた頃。月に一度はイベントに行っていた。下手すると週末毎にイベントがあった。女性向けにとって華やかなりし時。世間のバブルは終末に入っていたのに、同人界は真っ盛りという感じだった。
　今から考えると赤面ものだが、何故かイベントに結婚式とかパーティとかに着ていくような服を着ていったっけ。本も豪華な物が出てきたのは、Ｃ翼から星矢、トルーパーにかけてどんどん需要が伸びてきた印刷所の努力のたまものだったのだろう。
　上製本や箱入りやオルゴール付き（自分では見たことがないが）とかもあったらしい

　ＰＡＲＴＮＥＲ８冊目発行。内容は銀英伝と創竜伝。
　カタログ確認。そう、この時でした恐竜展。一般家族が間違って入ってきたとか、トラブルが合った模様。一般で行った時、真夏日差しの中、延々メッセの周り廻って入ったっけ。アスファルトの照り返しがきつかったなあ。
　ちなみにカタログ背表紙は古代進（宇宙戦艦ヤマト）。今は無きブロックノートセレクションはこのカタログから。あ、そういえば、オタクルックをなんとかしようってコーナーは２７回のカタログからありました

　幕張メッセも慣れたこのごろ。ホテルも２つ出来たので、東京から離れているという不便さがそろそろ解消されたかなーといったところ。それでも、バブルが弾けたせいか、出来るはずのショッピング街や企業ビルの建設が遅れ、まだ駅前からメッセまでは寒々としてました。
　コミケの主流はやはり女性向け。Ｃ翼、星矢はやや衰え、トルーパーそのまま、新しいビッグムーブはまだ訪れず、小さなジャンルが勃興しているという感じ。
　カタログの背表紙はシャア（機動戦士ガンダム他）まんがレポートに敗者復活編があった。

　で、次回は８／１０．１１メッセで行われる予定だったのだが……