パスカルの群−fujimiya−


 根源的破滅招来体がなんなのか、まだ明確な答えは出ていない。怪獣が出てくるという具体的な事象があればそれに対処すればいいのだが、それ以外にどうやってそれを見つけ、それを消滅することができるのだろうか。
 我夢は自室のパソコンで以前に戦ったデータを検証しながら、眉間にしわを寄せてそのことをずっと考えていた。藤宮はその答えをクリシスに求め、人類を排除するという答えを得た。初めてそのことを聞いた時は、正直言って、もしかしたらそういう答えもあるかもしれないと思ったが、今はあの時叫んだように、それは間違っていると確信している。
 自分は確かにウルトラマンの力を手に入れたけれど、それでも人であることに違いはない。人以外のものにはなれないのだから、人を排除することなんかできはしない。それができるのは神様か悪魔くらいだろう。それくらい、藤宮だって、ほんとはきっと解っている筈だ。
「ふぅ…」
 考え疲れて我夢はディスプレイから目をそらし、天井を見上げてため息を付いた。物理学や公式やデータをいじるのは得意でも、こと人間関係の理解や接し方となるとちょっとあやふやになってきとしまう。そんなこと考えて行動したことなんかないし、どうしたら藤宮を説得できるのだろうか。
 我夢は再び腕を組み、考え込んでしまった。
「あー、駄目だ。こんなこと一人で考えてたって、答えなんかみつかりっこないや」
 だが、我夢はすぐに諦めて腕を解き、イスから立ち上がると部屋を出ていった。まだ昼食時間には早かったけれど、数あるうちの軽食用カフェテリアでオムライスを取ると、窓際に座って一口食べる。 外ではシーガルフローターが作業にあけくれていた。まだこのエリアルベースは完全ではない。藤宮…アグルの進入を容易く許してしまうなんて、設計者としても屈辱だ。
 また、考えが藤宮のことに戻ってしまって、我夢はスプーンを持ったまま指を組んで顎を乗せ、ぼーっと空を見つめていた。
「何ぼーっとしてんだ」
「…梶尾さん」
 カタリとトレイが我夢の向かい側に置かれ、ついで梶尾の生真面目な表情が目に写る。隣のテーブルには北田と大河原が遠慮するように座っていた。
「……人と人とが解り合うって、難しいですよね」
「そりゃそうだろう。いくら話しても分からず屋はいるもんだ。すべて解り合おうって方が無理難題だな」
 あっさり言われて我夢は多少がっくりして梶尾を見つめた。梶尾なら、答えのヒントでもくれるのではないかと思っていたのに。
「けどな、だからといって最初から解り合うことを放棄するのも馬鹿げた話しだ。無からは何も生まれない。努力もしないのは、逃げてるだけの卑怯者だ」
「梶尾さん…」
 梶尾の言葉に我夢は驚いて目を見張った。そんな我夢に、梶尾は愁眉を解いてにこりと微笑みかける。
「お前が誰と解り合おうとしているのか知らんが、あれこれ考えずにお前の得意な直感でぶつかっていけ。…お前ならきっと解り合える」
「はいっ!ありがとうございます」
 我夢は勢いよく立ち上がると、満面に笑みを浮かべて梶尾に礼を言って去ろうとした。
「おい、喰ってからにしろよ」
「あ…あはは、そうですね…」
 腕を掴まれて引き留められ、苦笑する梶尾に我夢も頭を掻いて再び席に着く。嬉しそうににこにこしながら食事をし始める我夢を、梶尾も柔らかい笑みを浮かべながら見つめていた。
 部屋に戻った我夢は再びパソコンの前に座り、データの整理を始めた。地上のジオベースにアクセスし、解析数値をインプットしていく。暫くそうしていると突然回線にノイズが走り、割り込んでくる影があった。
『…無駄なことをしているな』
「藤宮!…君は今どこにいるんだ?何をしようとしている!」
 ディスプレイの中に、以前居たマンションの一室ではない割と明るめの部屋で不敵な表情を浮かべた藤宮が現れる。がたりと音を立ててイスから立ち上がった我夢は、藤宮に怒鳴り掛けた。
『いくら解析しても、いずれ人類は滅びる。未来はない』
「そんなこと…何で言えるんだ!未来なんていくらでも変えられる。その努力もしないで簡単な道を選ぶのか?」
 我夢は前に藤宮に捕らえられた時の問答を思い出して再び問いかけた。藤宮は前の時のように闇雲に自説を主張しようとはせず、ただじっと我夢を見ていた。
「藤宮…」
『…努力か……なら、してみるがいい。今俺はあるデータを持っている。多分、次に来る奴のデータだ。欲しければ取りに来い』
 え?と驚く我夢を取り残して画面は切り替わり、さっきまで行っていた解析画面になっている。慌ててどこからアクセスに割り込んできたのか確認しようとした我夢は、メールが入っていることに気づくとそれを開いてみた。
 誰からのとも、どこからのとも書いていないメールは、ただ地図とマークが入っているものだった。その地図をPALに移し、我夢はコマンドルームへ直行する。ばたばたと入ってきた我夢に、中の視線が一斉に集まるが、ただ一人石室コマンダーだけは落ち着いた様子で息を切らせてやってきた彼を眺めた。
「…根源的破滅招来体に対する有力な情報を手に入れました」
「手に入れた?…」
「あ、いえ…情報のありかが判って…手に入ると思います」
 片眉を上げ不審げに聞き返す石室に、我夢は息を整えて言い直した。堤や千葉を始めアッコやジョジーまで不審そうに見つめる中真剣な表情でじっと自分を見る我夢に、石室は一つ息を吐き頷いた。
「……よし、行って来い」
「では、チームリザードの瀬沼に連絡を」
「いえ、一人で行きます」
 堤の言葉を遮って我夢が言うと、みんなの視線が再び疑問となって降り注いでくる。そんな視線に気づいてないのか我夢は敬礼をするとさっさと部屋を出ていった。
「よろしいんですか?コマンダー」
「ここは任せよう」
 不信感を露わにして問う堤に、思惑を含んだ表情で石室は、いいな、と言うようにみんなを見回して何事もなかったように手元の資料に視線を戻した。



 メールに示された場所は東京のはずれにある、古びた一軒家の洋館だった。庭には雑草が蔓延り、鬱蒼とした林を背にした館は昼でも薄暗くまるでお化け屋敷のようである。人が住んで居ないような廃れた雰囲気に、門の前で立ち止まって思案していた我夢は、道を歩いていた近所の人間の訝しげな視線に意を決して中へ入っていった。
 錆び付いて軋んだ音を立てる門は、それでも内側へ開き、我夢は草木の間を抜けて玄関へと辿り着く。壊れているのかインターフォンは何の反応も無く、我夢は仕方なく扉を叩いた。
 何の反応も無いことに焦れて扉に手を掛けるとあっさりと開く。一瞬迷った我夢だったが、そのまま薄暗い中へと入っていった。
 中は思ったより廃屋という感じは無い。きょろきょろとホールの中央に立って辺りを見回していた我夢は、微かな物音に釣られて右側の奥へ続く廊下に足を踏み入れた。
 そこには半開きになった扉があり、中から聞き慣れた物音が聞こえてくる。そっと扉を開けると、中はまるで大学の研究室のように本棚があり、資料があふれ返っていた。その中にパソコンが2台置かれてあり、微かな機動音が響いている。
 物音の正体はこれかと、我夢はパソコンに近づき、ディスプレイを眺めた。画面はどこかの研究所のデータベースのようだ。一瞬ジオベースをハッキングしているのかと眉を顰めたが、どうやら違うようで海洋研究のデータが並んでいる。一体何を調べているのかと、マウスに手を掛けた我夢は後ろからの突き刺さるような視線にはっと振り返った。
「…勝手に触るな」
「藤宮…」
 いつものように鋭い目で藤宮は我夢を見つめていた。我夢は身を起こし、藤宮を睨み返す。
「これが次の敵に関係あるのか?」
 我夢の質問には応えず、藤宮は横まで来ると、キーボードに何かを打ち込み始める。暫くして光磁気ディスクを取り出し、電源を落とした。
 そのディスクを二本の指で挟み込み、我夢に見せつけるように藤宮は顔の横に上げた。
「これが欲しいか?…愚かな人類を護るために」
「…たとえ愚かだろうと、僕も人間だ。大切な人のために…仲間のために、戦う」
 このままでは、前と同じ押し問答だ。やっぱりいくら言っても解り合えないのか、と我夢が唇を噛みしめ睨み付けた時、藤宮は自嘲気味に口端に笑みを浮かべ、ぽいとディスクを放り投げてよこした。驚いて受け止めたディスクと藤宮を交互に我夢は見つめる。
「…仲間に、大切な人…か……どちらも俺には無いものだ」
「そんな…君にだって必ず居る筈だ。大切な…護りたい人が。でなければ、何故僕をここへ呼んだんだ?何故いつも…助けてくれるんだ」
 我夢の真摯な言葉に、藤宮は揺れ動く瞳で見ていたが、視線を逸らし早く行けというように手を振った。我夢はディスクを握りしめ、小さく礼を言うと踵を返しかけ、動きを止めた。
「君も……君も、僕の大切な人だ。共に地球を護る仲間だ」
 振り向かずにぽつりと言った我夢の言葉に、藤宮は瞠目する。
 返らない応えに、我夢はふっと息を付き、足を踏み出そうとした。が、後ろから肩を掴まれ引き留められる。振り向こうとした我夢は、背中から包み込まれるように抱きしめられ、驚いて動きを止めた。
「…俺が欲しいのは…仲間なんて言葉じゃない」
「ふじ…みや……?」
 抱きしめていた腕を離し、藤宮は我夢を自分の方に向かせると両手の平でその顔を包み込むように押さえた。驚愕の表情のまま目を見開いて見つめる我夢に、ゆっくりと藤宮は顔を近づけていく。
 軽く唇を触れ合わせ、ついで微かにかさついた唇を押し包むように合わせていく。暫くして藤宮が唇を離すと、我夢は見開いたままだった目を何度か瞬きで潤し、惚けたように目の前の端正な顔を見つめた。
「我夢…」
 名前を呼ぶ声に我に返った我夢は、何をされたか理解するとカーっと顔を真っ赤に染める。ディスクを持っていない方の手で唇を押さえ、身を引こうとした我夢の手を掴んで背中に回し、もう一方の手は変わらず頬を押さえ、藤宮は再び唇を合わせた。



 今度は唇の合わせを舌先でこじ開け、藤宮は我夢の口腔に侵入していった。驚き引こうとする我夢の後頭部に、頬に当てた手を回ししっかりと押さえつけて激しく口付ける。
 怯え縮こまる我夢の舌を探り当て、絡ませ吸い上げると、戦慄きが藤宮に伝わってきた。存分に口腔を蹂躙した藤宮が漸く唇を離すと、かくんと我夢の膝が挫ける。後ろに回した腕でその身体を支え、藤宮は昏い翳りを宿した瞳で我夢の顔を見つめた。
「…な…に……」
 その瞳に魅入られたか、それともさっきの口付けのせいなのか、痺れているような感覚の頭で我夢は言葉を詰まらせながら何をするのかと問いただそうとした。
 藤宮はもう一方の手も使って我夢を抱き上げると、隣の部屋に運んでいく。そこには大きめのソファがあり、藤宮は我夢をその上に下ろした。
 上着のジッパーが下ろされる音に我夢は漸く我に返った。ソファの横に跪き、自分にのしかかるようにして身を乗り出している藤宮に、我夢は訳が分からずきょとんとした目で見上げる。
 だが、藤宮の手がベルトに掛かり、それを外すに及んでやっと朧気にどんな状況に置かれているのか理解した。
「ふ、藤宮っ…何するつもりだ」
「……欲しい」
 ぼそりと言われた言葉が我夢の頭の中でぐるぐる回っている。欲しいとは、何が欲しいんだろうか?仲間?友達?それとも…
「な、何が、欲しいって…」
「高山我夢を一人」
 おろおろと狼狽える我夢に即答すると、藤宮はXIGの制服をはだけ、Tシャツの中に掌を這わせていく。冷たい手の感触にぞくりと悪寒を走らせ、我夢は焦って両手で藤宮の手を掴んだ。
「ぼぼ、僕を?…僕は、君のやり方に賛成した訳じゃないぞ。人間の敵になる訳には…」
 突然藤宮は俯き、低く喉の奥で笑い始めた。何が可笑しいんだと、むっとする我夢の手を振り払い、藤宮は素早く肩から上着を剥ぎ取って、床に放り投げた。
「そんなことはどうでもいい…今は」
「ふじ……」
 顔を上げた藤宮の目は、猛禽類のように鋭く我夢を見つめている。その目に気圧されるように我夢は言葉を封じられてしまった。
 藤宮はTシャツをまくり上げながら胸へ手を這わせ、突起に辿り着くと指先で確かめるようにそれを転がした。
 ぎょっとして我夢は藤宮を押し退けようと手を上げる。が、藤宮はまくり上げたTシャツを使って我夢の両腕を縛り上げてしまった。
「藤宮っ!解けよっ、こんなことしてどういうつもり…ひっ」
 手足をじたばたさせていた我夢は、藤宮に強く突起を摘まれて痛みにびくりと肩を竦めた。その後で濡れた感触がその周辺を這い回る。
 それが藤宮の舌と唇で、胸と突起を女性にでもするように愛撫されていると知って我夢は顔を朱に染めた。
 何故、藤宮がこんなことをするのか理解できない。自分に呆れているから?屈辱感を味あわせたいから?それとも…単なる暴力では屈しないと思っているからだろうか。
「イヤだ!…なんでこんな…、こんなことしたって、僕はっ…」
 ふと、藤宮の動きが止まり、我夢は息を詰めて見上げた。戸惑うような、苦しげな表情で藤宮は我夢を見つめ、そっと手を頬に伸ばした。びくりと硬直する顔を撫でられて、始めて我夢は自分が僅かに涙を浮かべていたことに気づいた。
「……何故?…何故だろうな…もう俺にも解らない。何が正しくて、何が悪いのか…。だけど、今解る唯一は……お前が欲しいということだ」
 藤宮は心の底から絞り出すように最後の言葉を告げると、再び手を這わせ始めた。呆然としていた我夢は、何故だか抵抗する力を失い、微かに身を捩って逃げようとするだけになってしまう。
「うあ…」
 藤宮の手は胸から腹を通り過ぎ、下半身へと向かった。既にジッパーを下ろされ下着が見えているその部分へ手を差し入れ、藤宮は軽く握りしめる。度重なる口付けや胸への愛撫によって熱くなり始めていたそこに触れられて、我夢は思わず声を上げてしまった。
 藤宮は、下着の中へ手を入れ、直に握りしめると緩急を付けて愛撫し始めた。
「や…やめ…ろ…」
 自由にならない手で藤宮の動きを止めようと、我夢は上半身を起こそうとする。が、もう片方の手で胸を押され、再びソファに横たえられてしまった。胸を撫でさすられ、自身を愛撫されて我夢の頭は朦朧としてくる。
 それでも弾けそうになる自身を必死で押し止め、我夢は身を捩った。
「…は、…離せ…藤…みや…」
「我慢することはない…出せ」
「な…で……きな…」
 いやいやをするように首を振る我夢に、藤宮は吐息を付くと手を離した。中途で止められて一層熱が上がってくる。我夢は自らの手で解放しようと、縛られている手を伸ばそうとした。
「え…あっ……ぅ…!」
 いきなり下半身から下着諸共に脱がされてしまい、我夢は外気の冷たさに驚いて身を竦めた。その我夢の両足を押し広げ、藤宮は間に自分の身体を入れて、再び天を指している自身を今度は口の中に招き入れる。
「あ…ぁ…やあ…離せっ…ふ…じ…!」
 いきなりのことで、我夢は堪えきれずに藤宮の口中へ放ってしまった。
 ぐったりと力を抜き、息を荒げている我夢から顔を起こすと、藤宮はごくりと喉を鳴らしてそれを飲み込む。口端から零れた液体を手の甲で拭うと、今度は指を自分の口中に入れ唾液で濡らし、ゆっくり我夢の奥に秘められた部分へ伸ばしていった。
「……あ…っ…」
 力の抜けきったその部分は、濡れた指を拒むことなく受け入れ、藤宮は奥まで侵入させていく。蠢く指に痛みは感じないものの、気持ち悪さに我夢は眉を顰め身体を堅くした。
「力を抜け…」
 再び自身に指がかかり、ゆっくりと上下に扱かれる。我夢は前への愛撫に力を抜いた。すると、指が二本に増やされ、更に解すように動き回る。
 違和感と快楽とに翻弄され、我夢はただ首を振り、身をもがかせる。意識せずに甘い息が我夢の口から漏れ、その声に藤宮はごくりと喉を鳴らして指を引き抜き、足を抱えなおした。
「我夢……」
 名前を呼ばれて我夢はうっすらと目を開く。飛び込んできたのは藤宮の驚くほど真剣で熱い瞳と切ない表情だった。
「藤…宮…」
 我夢は一瞬身体が引き裂かれたのかと思うような痛みに声すら上げられず、全身を強ばらせた。焼け付くような熱い塊が、下半身に打ち込まれ蹂躙していく。
 強ばってぎっちり締め上げられ動けない藤宮は、片手で前を宥めるように愛撫する。次第に熱が戻り、ほうと息を吐いて僅かに我夢の力が抜けた所を見計らって、藤宮は最奥まで突き入れた。
「く……ぅ…ぁ……」
 ひくりと我夢の喉が動き、声が漏れた。それに誘われるように藤宮は動き始める。前への愛撫と、後ろへの蹂躙に、我夢の意識は翻弄され何かに縋り付きたいと自由にならない腕を伸ばした。
「……我夢!」
 そんな我夢を強く抱きしめ、藤宮は一際強く穿つと中に放った。我夢も藤宮の手に二度目の精を放ち、大きく息を吐くと泥の中に沈み込むように意識を失っていった。



 気が付くと、我夢はきちんと制服を着てソファに横たわっていた。夢でも見たのかと身体を起こそうとして全身、特に腰に走る痛みに眉を顰める。
「……藤宮…」
 名前を呟いた我夢は顔を上げると辺りを見回した。だが、人気は無く、テーブルの上にはエスプレンダーと光磁気ディスクがぽつんと置いてあるだけだ。
 我夢は痛みに顔をしかめながら、それを手に取ると、上着の中にしまい込んだ。隣の部屋も、家の中全てを探してみたが藤宮の姿は見えない。
 最後に二階の一室に入った我夢は、子供部屋のようなそこの机に伏せられた写真立てをふと手に取ってみた。一人の女性と子供が僅かな距離を開けてこちらを見ている。子供には微かに面影が残っていた。
「ここは……」
 藤宮の家だったのだろうか?我夢は写真立てを元に戻し、外へ出ていった。もう薄暗くなっている。吐息を付き、我夢は報告するためにXIGナビに手を掛けた。




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