海へいこうよ


「海行きたいなあ…」
「ウミ?ああ、ビーチバレー、スイカ割り、花火いいよねえ…」
 今日はどうやら破滅招来体はお休みらしく、警戒態勢もないコマンドルームの面々はのんびりとみんなでお茶していた。
 そんな中、ぽつりと呟く敦子に、すかさずジョジーが言葉を繋ぐ。変なとこだけ日本に詳しいジョジーの言葉に、敦子は苦笑いをしながら頷いた。
「今日本じゃ夏休みなのよ。海行きたい〜泳ぎたい〜」
「行けばいいじゃん。休暇の時に」
「一人で行ったってムナシイだけでしょ。ああいうのは彼氏連れだからいいんじゃない」
 溜息付いてそう言った敦子は、ちらりと後ろを振り返るジョジーにつられて後ろを見た。美味しそうにコーヒー…というよりコーヒーミルクといった方がいいような物だが…を飲んでいる我夢に目を留め、敦子は僅かに目を見開いてジョジーに視線を向け問うた。
「ねえ、我夢んちって海近くなんでしょ。今度いつ帰るの?」
「えっ?いや、別に予定はないよ。家に帰ってもしょうがないし」
 ジョジーに聞かれ、我夢は慌てて答えると敦子と目を合わせないように、あからさまにイスを回して背を向ける。
「帰っといた方がいいよ、一度。最近破滅招来体の攻撃も遠慮なくなってきたし、ご両親心配してるでしょ」
「そんな心配してないよ。ちゃんとメールのやりとりもしてるし…」
「いいや、心配してる!そんなに一人で帰るのが嫌なら私が着いていってあげるから、次の休暇に帰ろ」
 我夢の言い分を断ち切るように断言し、敦子はさっさと自分と我夢の休暇申請をコンソールに打ち込んでしまった。
 そんな勝手に、と助けを求めるように我夢は堤を見上げたが、聞いてないふりをされ、続けてコマンダーも千葉と共に別室へ入っていってしまった。誰も味方になってくれない状況にがっくりと肩を落としてしょうがないと諦める。
 敵相手なら絶対諦めない我夢だったが、それ以上に相手が悪い。なんといっても撃破できた試しがないのだから。
「…せめて、近くの民宿に泊まってくれよ」
「やあだ、あったりまえでしょ。妙齢の女の子が付き合ってもいない男の家に泊まれる訳ないじゃん」
 にっこり返されて我夢は更に机に突っ伏した。


 というわけで、久しぶりに我が家にやってきた我夢は、相変わらず忙しい父親不在の家で敦子と共に母親と対面していた。
 さっぱりした気性の母親と敦子は気があったらしい。世間話で盛り上がっている中、一人ぽつんと疎外感を味わっていた我夢は、いきなり背を叩かれてはっと振り返った。
「何拗ねてんの。海岸行ったらちゃんと敦子さんを護衛するのよ。このへんも、夏休みになると柄の悪い人たちも来るから、気を付けてね。この間も真っ黒の格好した変な男が、ぶつぶつ言いながら海に向かってたって言うし」
 頬に手を当てて心配そうに見る母親に、我夢は引きつりながらも応えた。
「これでも一応地球を守ってるんだから。……その、黒い格好の男って…」
「さっ、行きましょ。どうもお世話になりました〜また帰りに伺います」
 我夢が詳しく聞こうとしたのを遮り、引っ張るようにして敦子は家を出た。マコトに借りた車に乗り込み、近くの海水浴場へ走らせる。
 駐車場に車を止めた我夢は、いきなり上着のボタンを外し始めた敦子にぎょっとして真っ赤になった。
「あああ、アッコ…何して…」
「面倒だから、中に着てきたの。さあ、泳ぐわよ〜…何赤くなってんの」
 敦子がさっさと服を脱いだ中には、今流行のボーダー柄、デニムパンツ形式のビキニを着込んでいた。我夢は、溜息を付きながら笑い、がくりとハンドルに頭を凭せかけた。
 今日は夏休みとはいえ、世間は平日なためか、それともここが穴場なのか、人はそれほど多くない。綺麗で透明な青い海に、敦子は感激したように軽くストレッチすると海に入っていった。
「あー、あんなにはしゃいで…ま、良かったかな…」
 我夢は海の家からゴザとパラソルを借り、その上に座り込んだ。今日の所は海に入るつもりはなかったので、海パンも持ってこなかったのだ。お守りなのだから、これでいいと思ってやりかけのデータ整理をいつもの小さなノートパソコンでやり始める。
「せっかく海に来たってゆーのに、何やってんのよ」
「いいんだよ。それより、もっと泳いで来たら」
「まったくもう…ねえ、あそこ、何で島に鳥居があるの?」
「ああ、ここらの神様を奉ってるんだよ」
 怒ったように腰に手を当て睨んでいた敦子は、話を突然変えて、入り江の入り口近くにある小さな島を指さした。我夢の応えに、へえと感心したように見ていた敦子は、あそこまで泳いでくると言って再び海へ入っていく。
 ぼんやりそれを見ていた我夢は、はっとしてパソコンを置き、二、三歩前へ出た。入り江の中は穏やかだが、島近くは波も高く結構潮が渦巻いていたりするのだ。遊泳禁止の標識は出ていないから大丈夫だとは思うが、暫く泳いでいないと言っていた敦子には大変なのではないだろうか。
 そう思った途端、敦子の姿が視界から消える。次には腕だけ波間から現れた。慌てて我夢はそのまま海へ入っていく。軽装だったため泳ぎには支障無く島近くへ泳ぎ着いた我夢は、頭を波間から上げて辺りを見回した。
「アッコー!どこに…」
「ここ、ここよ〜我夢〜」
 楽しそうな敦子の声に、我夢はびっくりして振り返った。島の岩場に敦子はにこにこして座っている。
「驚いた…溺れたのかと思って」
「ごめん。あれはふりよ。こうでもしなきゃ来ないと思って」
 ぺろりと舌を出す敦子に、我夢は岩場にがっくりと座り込んだ。おかげさまで服はびしょびしょ、着替えもない。このままでは乾くまでマコトの車に乗れないではないか。
「ほんと、良いところね〜。外海は結構波が高いのね…あ、あれ?」
 祠のある岩場を回り、外海の方を見ていた敦子の声に、我夢も立ち上がってそこへ行ってみた。波の向こうから中型のクルーザーが白い飛沫を上げながらこちらへ向かってくる。
 あれよという間にクルーザーは島の脇に停まり、中から明るい海には似合わない黒ずくめの格好をした男が現れた。
「藤宮!?」
「えっ?」
 あの格好ですぐに判るとは、と驚きながら敦子も目を凝らした。サングラスをしているが、確かにあれは要注意人物の藤宮博也だった。
 藤宮はサングラスを外し、我夢に向かって不敵な笑みを浮かべると手招きをする。我夢はそれに誘われるように歩き出した。
「我夢っ」
「大丈夫。悪いんだけど、先戻ってて」
 敦子の不安げな非難するような声に、心配するなとにっこり笑い掛け、我夢はクルーザーに乗り込んだ。敦子を残し、さっさとクルーザーは外海へと出ていく。残された敦子はどうしたらいいか思案していたが、仕方なく海岸へと戻っていった。


 島と入り江が小さく見えるくらいの場所まで来ると、藤宮はエンジンを止め錨を降ろした。風もなく波も穏やかな海だったが、それでも中位のクルーザーでは結構揺れる。足を踏ん張り、我夢は何故自分をここへ招き入れたのかと藤宮を見た。
「君がこんな船を持ってるなんて知らなかったよ」
「釣りが趣味なんだ」
 ほんとか?と目を見張る我夢に、藤宮は声を殺して笑う。からかわれたのだと解って我夢はむっと唇を尖らせた。
「今日は仲良くデートか?家族に紹介するってことは、結婚を前提として付き合うんだな、彼女と」
「ちっ、違うよっ!僕は足代わりで」
 藤宮の言葉に我夢は、慌てて否定した。結婚を前提としてなんて、唐突すぎる。お付き合いってのは、もっと色々順を追って…と考えていた我夢は知らず赤くなっていた。
 そんな我夢を僅かに眉を顰めて藤宮はじっと見つめる。
「そうか…なら、放っておいても大丈夫だな」
「えっ、何で?」
 ぽつりと呟いた藤宮の言葉に、我夢は想像を振り払って見た。じっと見つめてくる藤宮の視線とぶつかって、目を反らせなくなる。
「服が乾くまで、ここに居ればいい」
「あ…そうだね…ありがとう」
 藤宮の心遣いに素直に礼を言って我夢は、にっこりと頷いた。藤宮もにこりと…いや、にやりと笑い掛け船室を指さす。中で着替えろということなのかと、我夢は歩き始めた。が、船の揺れに足を取られて蹈鞴を踏んでしまう。
 支えてくれた藤宮に思わずしがみついてしまった我夢は、慌てて身体を離そうとした。
「君の服が濡れちゃう」
「いいさ…どうせ、すぐに脱ぐ」
「?」
 言葉の意味が解らず、きょとんと見上げる我夢をそのまま抱えるようにして、藤宮は船室へ入っていった。
 中は狭かったが、右側にキッチン、左側にソファとテーブル、奥にはシャワールームともう一つの部屋の扉があった。シャワールームまで連れて行かれ、中に放り込まれる。我夢は濡れた服を脱いで側にあった籠の中に入れ、シャワーを浴び始めた。
「凄いね、こんな小さな船なのに一通り揃ってるなんて…エリアルベースの僕の部屋より、もしかして快適かも」
 外に居るだろう藤宮に素直に感想を述べながら、あんまり水を使ってはまずいかと、手早く塩水を流した我夢はバスローブを羽織ってシャワールームから出た。服は籠から消えている。多分、気を利かせて洗濯してくれているんだなと、我夢はにっこり笑った。
「藤宮って意外と家庭的…ずっと一人暮らしだったのかな…」
 てっきりソファの所に居ると思っていたのに、そこに誰も居なくて我夢はきょろきょろと辺りを見回した。外に居る気配もない。ならば、もう一つの部屋の方かと我夢は扉を開いて中へ入っていった。
「藤宮?」
 中は寝室となっているらしく、狭い部屋一杯にベッドがででんと置いてある。その上に藤宮は上半身裸で寝転がっていた。
「シャワー、ありがとう。服乾くまでこれ借りるよ」
「…我夢…」
 ひょいひょいと手招きされ、我夢は首を傾げながらもベッドに身を乗り出した。ベッドの周りはすぐ壁もしくは戸棚になっているため、藤宮に近づくにはその上に上るしかないのだ。
「何?」
 アグル姿で手招きされるのは、いつも戦いの挑発を受けた時だった。今更そんなことはないだろうと思いつつも、何となく嫌な予感を覚えながら我夢は、膝を付いて這うように藤宮の側まで行く。
「髪もちゃんと拭け」
「え、わっ、いいよ、自分で拭くって…」
 いきなり首に掛けていたタオルで頭をがしがしと拭かれ、我夢は慌てて身を引き藤宮に背を向けて拭き始めた。だが、藤宮の手は再び頭に伸びて我夢の手に重なった。
 その手はするりと顔の方に回り、我夢の目を覆ってしまう。我夢は、何を子供じみた真似するんだか、と可笑しくなって笑いながらその手を退けようとした。
「君がこんなことするなんて、変だよ」
「そうか…」
 ぼそりと呟いた藤宮は片手で我夢の目を覆ったまま、もう一歩の手を後ろからバスローブの襟口に滑り込ませた。
「藤宮?」
 滑り込んだ手は、我夢の滑らかな胸を撫で、突起に辿り着くと捏ねるように刺激し始める。ぎょっとして我夢は、漸く力を込めて目を覆っている手を引き下げ、後ろを睨み付けた。
「悪戯は止めろってば」
「悪戯じゃない…本気だ。大体、こんな格好で誘われたら普通我慢できないもんだろう、男なら」
「誘って…って、んな訳ないだろ!…あ、まさか、そのつもりで来たのか?」
「今頃気付くとは、鈍すぎるな、相変わらずお前は」
 暴れる我夢を後ろから抱きすくめ、藤宮は面白そうに首筋に顔を埋めて低く笑っている。我夢はその感触に首を竦め、暫くじたばたしていたが、藤宮の手が再び胸の突起を弄り始めると、じんと痺れるような感覚に身を竦めた。
「やっ…」
 藤宮は首筋に唇を押し当てながら、もう片方の手を我夢の太股に這わせ、バスローブの中へ潜り込ませた。
 慌てて我夢はその手を押さえようとしたが、一瞬遅くその手は目的の物に辿り着いてしまう。バスローブの中は下着すら着けていない状態だったため、直に握り締められ、我夢はびくりと身体を震わせた。
「熱くなってる…」
「そっ…」
 否定の言葉は、事実の前に口に出せなかった。胸への愛撫や首筋への口付けで、もう我夢のそれは半ば勃ち上がり、藤宮の言うように熱くなっていたからである。
 ぎゅっと唇を噛み締め、手で己を弄ぶ動きを少しでも押さえようとする我夢に、藤宮はふっと笑みを浮かべると、胸で遊ばせていた手で顎を取り、口付けた。
 何度も口付け、舌でつつくと、堅く食いしばっていた我夢の唇はふわりと解け、藤宮の舌を受け入れる。深く貪るような口付けに、我夢の強ばっていた身体もやんわりと解けていった。
「…あ……」
 口付けながら、緩く我夢のそれを扱いていた藤宮は、手の動きを激しく上下させていく。先走りの露を零すその先端を親指の腹で回すように撫でると、熱く甘い吐息が我夢の口から漏れ出た。
 藤宮は焦らすこともなく我夢を追い上げ果てさせると、その身体をベッドに横たえた。荒く息を付いている我夢のバスローブのひもを解き、左右に広げて裸体を露わにする。
 ごくりと喉を鳴らし、藤宮は淡く紅潮した我夢の身体に伸し掛かっていった。
「我夢…」
 ぼんやり目を開いた我夢は、藤宮の熱い眼差しに応えるように手を伸ばしてその頬に触れた。
「…ふじみや…」
 頬に触れる我夢の手を取り、掌に口付けると藤宮は首筋から胸、腹へ向けて赤い跡を散らばせながら唇を這わせていった。時折、ぴくりと反応する部分には念入りに愛撫を加え、目指す場所へと辿り着く。
 既に再び熱くなり始めているそれを口に含み、藤宮は舌と唇を使って追い上げていった。
「…はっ……ぁ…っ…も」
 先端をちろちろと舐め上げる藤宮の舌に、我夢はびくびくと身体を痙攣させ、頭を振って快感を逃そうとする。両手で藤宮の頭を押し退けようとしても、力は入らない。
「も…う…駄目だ…離…せ……ふじ…」
 このまま藤宮の口中に放ちたくない我夢は、ともすれば喘ぎになってしまう声で、必死に訴えかけた。藤宮は口を離し、手で緩く扱きながら身体をずり上げ、もう片方の手を我夢の顔に伸ばした。
 藤宮は指で我夢の戦慄く唇を撫で、中に差し入れていく。人差し指と中指で口腔内をかき回され、舌を撫でられて我夢は眉を顰めて快楽に耐えた。
閉じられない唇から我夢の唾液が零れ落ちる程になると、漸く藤宮は指を引き抜き、再び身体を下げて両足を大きく広げさせ、秘められた場所にその濡れた指を押し当て挿入していく。
「…っ……」
 先走りの液や、先ほど放った自身の液が流れ落ちている場所は、その指を楽にとはいえないまでも受け入れた。
 一瞬痛みに力を込めてしまった我夢だったが、刺激を受け続けている自身にすぐに力は抜ける。藤宮は指で充分にそこを解すと、指を引き抜いた。
「力を抜いてろ…」
 両足を肩に担ぎ上げ、藤宮はもう充分に熱くなっている己を一気に挿入した。衝撃に強ばる我夢を宥めるように愛撫を繰り返し、ゆっくり腰を動かしていく。
「う…っ……あ…っはぁ…っ…」
「……我夢…」
 強く緩く腰を打ち付けながら、藤宮は身体を倒し口付けた。必死で藤宮の口付けに応え、我夢は両手を背中に回してしがみつく。
 我夢の体温と、内の熱さに、溺れるような感触を覚えながら藤宮は激しく腰を突き上げ自身を放つ。同時に我夢も藤宮の手に己を放ち、ぐったりと力を抜いて荒く吐息を付いた。
 我夢の額に浮かんだ汗を手で拭い、藤宮は軽く口付ける。我夢はうっすらと目を開いて、戸惑うような笑みを浮かべた。
「…え…と…藤宮…もう…」
「まだ、服は乾かないだろうな」
 え?と見上げる我夢に、藤宮はまだ中に収まったままの自身を緩く突き上げた。途端に、ぎょっと目を見開いた我夢は、力の入らない身体をずり上げて逃れた。
 藤宮は敢えて押さえることもなく、自身を抜くと、ほっとして背中を向けた我夢の腰を持ち上げ再び後ろから伸しかかっていった。
「うわっ…ふ、藤宮っ、もうや…っ…あっ…」
 藤宮の手が前に回り、萎えた自身を握り締め愛撫を加えると、我夢は両手から力が抜け、腰だけ高く上がったような格好になってしまった。
「我夢…」
 朦朧とする意識の中、我夢はただ必死でシーツを握り締め、突き上げられる動きに翻弄される。藤宮は疲れも見せず、我夢の身体を抱えその身を起こさせた。
「あうっ…!く…っ…」
 胡座を組んだ藤宮の上に乗せられ、自分の体重によって深々と貫かれた我夢は、短い悲鳴を上げて喉を仰け反らせた。
「も…もう…やだ…」
「これくらいで音をあげるな…」
「…これ…くら……いっ…て…」
 藤宮は我夢の腰を掴み揺すり上げる。途端に、痛みではない快感が背筋を駆け抜け、我夢は甘い嬌声を上げた。そんな自分の声に驚いて止めようとしても、その度に藤宮に突き上げられ、頭が朦朧としてくる。
「…今は全て…」
 藤宮の声を遠くに聞きながら、我夢はただ快楽の波に呑まれて沈んでいった。


「遅い……」
 いつまでたっても戻ってこない我夢に、いい加減キレそうになった敦子は拳を握り締めて立ち上がった。もう一度島まで泳いでいってみたが、クルーザーはまだそこに停泊している。
 戻ってくるよう言おうと思ってもナビは砂浜に置きっぱなしだし、泳いでいくには遠すぎる。単に話し込んでいるだけではないと女の勘も告げている。
「ふっ…こんな方法とりたくなかったけど…我夢がいけないんだからね」
 にやりと笑うと敦子は悲壮な表情を作り、ナビの特別回線を開いた。我夢が藤宮に拉致されたと聞けば、あらゆる手を使って…海だからチームマーリンあたりか…石室は奪回しようとするだろう。そんな仕事を押しつけられるマーリンには気の毒だが、何故か他に仕事がないのだからしかたない。
 空は快晴、海は青い。せっかくだから、どたばたが起きる前にもう一泳ぎ…と敦子は海に入っていった。

                        ちゃんちゃん

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